トチ
「青と銀」
数年前、仕事を辞めた。
辞めるまでかなり粘った。
病院にも行った。
冗談を言わなくなった。
次第に楽しかったことを
思い出さなくなった。
自然に楽しいことを
期待できなくなった。
辞めたら辞めたで、楽じゃない。
貯金の底が見えていく中で、
不安と憎しみが募っていった。
友達もそのほとんどを失った。
ハルカトミユキ以外の曲は
聞けなくなった。
ハルカトミユキだけが
リアルで優しかった。
ドライアイスを希望の歌だと言っていた意味を理屈より先に、感覚が学んでいた。
その後、たまたま再就職できた。
そこも、問題が多かったが、
無視や嫌がらせはなかった。
そこで次第に助け合って、
仕事をするようになった。
心を回復していった。
10年間、その場所で感じる感覚が
全てだったから、夢なんてなかった。
夢はなくても、
失いたくないものはある。
やっと見つけた助け合う場所が助け合わなくなりそうなとき、助け合うことを守るだけの力が欲しい。
「自由だね。力を抜いて、自由だね」
今はその歌に支えられてる。
「やっと見つけたのに消えてしまうのならば、最初から何も知らなきゃ良かった」
そのリアルに帰りたくない。
追伸、今のお二人は、青と黒よりも、青と銀の方が似合う気がします。