misora
今から約10年前。
自分のことが大嫌いだった私は、あるバンドマンに恋をしていた。
そのことがきっかけで出会ったのが、ハルカトミユキ。
「お前の嘘は最初から知ってる」
結婚していることは最初に本人から知らされていた。
ふわふわした夢のような日々の中で、心の底にしまい込んだ本当の怒りや憎しみを引き出して寄り添ってくれたのが、ハルカトミユキの楽曲だった。
あれから約10年。
その人とどうなったか、人生のネタとして誰かに語ることもなくなった。
何度もどん底まで落ちて、なんだかダメな自分が馬鹿馬鹿しくて、もうそんな自分を愛するしかなくなった。
ハルカトミユキの曲がしてくれたように、肯定するしかなくなった。
そして今、私の隣で、最愛の人と娘がすやすや眠っている。
今も問題は山積みだ。
だけどこれからは、自分自身もこの子のことも、丸ごと全力で愛してみせる。
それが私の夢であり、目標になった。