近藤康平(画家・ライブペインティングパフォーマー)

僕は元々はサラリーマンをしていたのだけど２９歳の時に急に絵を描き始めて、

そして３６歳ごろに絵だけで生活をするようになった。

今、僕は４６歳なので僕のこの１０年間は絵描きになっての10年間だ。

絵を描き始めたきっかけは本当に些細なことだった。

当時はやっていたmixiというSNSに後輩が勝手に僕のアカウントを登録してしまい

僕に「日記を書いてよ」と言ってきたのだけど僕は日記を書くのもなんだかなぁと思い仕方なく絵を描いてみたら驚くほど描けた。

そんなことがこんな１０年間をもたらすなんて人生は本当に不思議だ。

僕の人生はずっと何かに流されてきたような気がする。

僕はあまりそれに抵抗することなく体を任せていたらこうなった。とても主体性のない人生だ。

僕は計画や目標を立てるのがあまり得意ではない。つまりそこまで人生で叶えたい夢はないのだ。

しかし別の種類の夢をみている。

夢があったり計画や目標をたてると自然とそれに向けてのルートのみが目に入ってしまう。

そして急ぎがちになってしまう。

僕は立ち止まったり寄り道したりゆっくりと歩いたり、そもそもルートを逸れて、それどころかルートを忘れてでたらめに歩いていた時に思いがけず現れる景色が好きなのだ。

それこそが夢のような景色だと思う。

近藤康平

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