ハルカトミユキ10周年ライブ『十字路に立つ』特設サイト

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    D.W.ニコルズ わたなべだいすけ(ミュージシャン)

    ハルカトミユキ10周年ライブ『十字路に立つ』特設サイト

    2022/10/02 12:00

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    10年前、ボクは32歳だった。それに10を足すと今の年齢になる。

    D.W.ニコルズという名前でバンドを始めたのは2005年。

    ベースまなん、ドラム今井、ボクの3人でスタート。

    その後、ギター鈴木健太が加入しドラムが岡田梨沙に変わった。


    30歳までになんとかならなかったら身の振り方を考えようとおもっていた。

    ギリギリの滑り込みで29歳の時にメジャーレーベルと契約できた。

    レーベルの先輩にはモンキーマジック兄さんがいた。

    そのまま30歳になっていたらどうしてたんだろう、とおもう時があるけど

    そんなことは考えてもムダだ。

    実際になんとかなった訳だし。

    もうこれで売れたとおもった。バイトも辞めた。

    「メジャーデビューするんで。お世話になりました」と

    おもいっきりかっこつけて辞めた。

    「いつでも戻ってきてね、わたなべ君。がんばってね!」と

    バイト先の人は優しく送り出してくれた。

    戻るか!ボケ!とおもった。

    数ヶ月後、当時のマネージャーから

    「そろそろバイトしてください」と言われた。

    意味がわからな過ぎて外国語に聞こえた。

    ボクは元バイト先に頭を下げて「また働かせてください」と言った。

    また優しく迎え入れてくれた。本当にありがたかった。

    絶対またすぐやめるからな!ボケ!とおもった。

    でも実際そこからバイトを辞めるまでに数年かかった。


    アルバムを2枚出して契約が切れた。

    結構、喰らった。

    メンバーも喰らった。もうダメかとおもった。でもメンバーは

    「だいちゃんが続けるならいっしょにやるよ」と言ってくれた。

    ボクらはもう一度自主レーベルからCDを出してがんばっていくことに決めた。

    それから数年後にまたメジャーレーベルと契約できた。

    ウルフルズなどを売ったチームだった。今度こそ完全にイッたとおもった。

    アルバムを一枚作った。

    そのレーベルがデカいレコード会社の傘下に入ることになり

    ボクらのチームは解体されて契約も終わった。

    これも結構喰らったけど流石に2回目なので「ま、そういうこともあるっすよね」と

    なんとか気持ちを切り替えた。


    2回もメジャーレーベルと契約できて

    いろんな人たちが力を貸してくれて本当に感謝している。

    あの時があるから今があるんだと心の底からおもう。


    この10年、いろんなことがあった。

    生きてりゃみんないろんなことがあるだろうけど

    本当に色々あったのでちょっと怖いけど書き出してみようとおもう。



    10年前、事務所の社長ボビーさんが病気で亡くなる。

    当時の男性マネージャー小畑さんが跡を継ぐ。

    メンバーと数人のスタッフでなんとかがんばり

    音楽だけで生活できるようになる。

    黄色のTシャツに赤いサスペンダーという衣装が定着。

    ちびっ子ファンが異常に増える。

    ドラムの岡田梨沙が結婚するため寿脱退。しばらく3人で活動。

    新しいドラマー萬玉あい加入。4人に戻る。

    年間100本を超えるLIVEを続け色々とガタついてきたため

    3ヶ月「リニューアル期間」と称してすべての活動を停止する。

    ボクのラジオのレギュラーも3ヶ月休ませてもらった。

    自分を見つめ直し

    さらに強くなってここからまた

    芯の強いフロントマンになってほしいという

    メンバーやスタッフの期待に応えるには3ヶ月はあまりにも短く

    リニューアル期間がもうすぐ明ける頃

    夜の公園で角ハイボールを飲みながら、猛烈に焦る。

    コロナウィルスという謎のウィルスが流行る。

    世の中全体が大規模なリニューアル期間に突入。

    焦っていたボクは少しホッとしたが

    その後、また違う理由で猛烈に焦る。

    LIVEができなくてファンのみんなにも会えず自分の存在意義を見失う。

    コロナ禍の中なんとかみんなでがんばり2020年を乗り切るが

    色々と限界がやってきて

    2021年いっぱいで現体制での活動終了を発表。

    おもっていたよりもコロナウィルスの影響で喰らったダメージはデカく

    予定より早まり9月に

    歴代メンバー全員集合のLIVEをもって現体制での活動を終了。

    ひとりでD.W.ニコルズの看板を背負う。

    半年ほどいろんな人の力を借りて活動する。

    いかにみんなに助けられていたかを痛感。

    2022年4月にギターの鈴木健太がメンバーに復帰。

    D.W.ニコルズを続けていくために合同会社グッデイを設立。

    自主レーベル GOODDAY RECORDSを立ち上げる。

    三鷹に構えた事務所の固定電話に営業の電話がたくさんかかってくる。

    「グッデイ」ではなく「グッディ」と

    イを勝手に小さくしたやつは

    内容を聞かずに断る。

    EVERYDAYのことエブリディーって言います?

    言いませんよね?と問い詰めたいところだが我慢の日々。

    ファンのみんなや支えてくれる人たちのおかげで

    毎日なんとか楽しくやっている。


    そんな10年だった。

    色々ありまくったけど

    すべて意味のあることだったとおもう。


    今のボクの夢はバンドを続けることだ。

    少しでも長く続けたい。

    みんなで守ってきた看板を

    これからも大切にして

    ユーモアを忘れずに生きていきたい。


    ハルカトミユキ、10周年おめでとうございます。

    またどこかの十字路で会いましょう。




    D.W.ニコルズ わたなべだいすけ




    https://www.dwnicols.com

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