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10年前のことはよく覚えていない。なにかの始まりでも終わりでもなく、ただ淡々と月日が流れていただけだった。無趣味で、好きなものを訊かれてもいつも何も思い浮かばなかった。毎日ぼんやりと過ごしていた。
私の中で人生が濃くなりだしたのはハルカトミユキに出会ったこの6年。それまで姿を見せてこなかった自我の芽生えを感じたみたいな6年だった。好きなものをはっきりと自覚し、嫌いなものもわかるようになってきた。周りに流され続けて生きてきた私はそれが嬉しかった。
ハルカトミユキに出会ってから行動力がついた。ライブに行くために初めて一人で東京に行ったり、今では高速バスや新幹線に乗り地方まで簡単に行くようになった。それまで家に篭っているばかりだったのに、気軽に遠出できるようになった。こんなに熱量を持てることが幸せだなと思う。
他人のことばかり気にしている10年間だった。己と向き合うことを放棄して、人の人生に思いを馳せていた。最近はようやく自分と向き合えてきたと思う。それは人に認められるようになったから。違う環境に身を移したり、ファミレスで小学校の同級生と久々に再会したり、普通の人らしい扱いを受けられていて、普通に社会に存在できている。ようやく普通の景色が見えてきた。
未だに毎日苦しい日々が続くが、人生は苦しむことだという絶望的な言葉を思い出し、以前より気楽に生きている。ある程度の諦観は私にとって生きる術。
今の夢はお金を貯めて身なりを整え、人前に出ても無視されないような人間になり、勉強して公務員になること。
年齢的にも、これしかないと追い込まれている。どうにか成し遂げたい。
お二人の音楽があるから今日までなんとか耐えてこれた。ハルカトミユキのお二人、いつも本当にありがとうございます。