チグ(フリーター)
10年前今思えば一生分の青春をそこで迎えていた。部活に恋愛、学校生活どれをとってもかけがえのない日々だということをその当時は考えても見なかった。この日常が続くものだとこの先も別の形で姿を見せてくれるのだと
けれどたった一つの選択の違いでその全てがこの先10年姿を見せる事は無かった。
通えるはずだった学校、飽くことのない夢、盲目的な努力がとてつもない悪意に苛まれた当時はそう思った。何もかもを拒絶した。僕は空っぽになった。
そこからの数年は穴の空いた身体に色んな物を詰め込んだ。しかし傷は大きく底が抜けた身体には何を詰めても意味をなさなかった。それでもするしかなかった。そうしないと生きてはいけない程に愚かに縋るしかなかった。
そんな日々にも終わりはやってくる。
終わらせたかった。もう生きていけないと思った。全てを終わらせようと思った時数年前に自分の誕生日に自分に送ったギターが目に映った。数日で挫折した惨めな象徴のそれにこれまでの僕を預けてみたくなった。それまで創作とは無縁だった僕は自分を表現する道を選んだ。
そこからは常に憂鬱が付き纏った。やることなす事が上手くいかなかった。向いているとは思っていなかったがここまで出来ない自分を根本から否定したくなった。
そんな時画面越しで聴いていたアーティストが東京でフリーライブをすると聞き夜行バスで東京に向かった。
そこで僕は肯定された。これまでの事そしてこれからの事
あの日からも挫折する事はあったけどそれでも曲を作れているのは認めてくれたハルカトミユキのお二人がが今も頑張ってくれているからです。いつか僕が作った曲がお二人に届く事が今の僕の一つの夢です。